鳴尾ゴルフ倶楽部が「社団法人」となったのは、アリソンの勧告によりコースの改修が行われた翌年、1932年のことである。以降、鳴尾ゴルフ倶楽部は、80年余りに渡り「社団法人」として運営されてきた。しかし、1896年に制定された「社団法人」に関する制度には、設立許可、公益性の判断などが主務官庁の裁量で行われており、ばらつきがあるとの批判もあった。この批判を受けて、2006(平成18)年には「公益法人制度改革関連3法案」が公布される。「公益法人として運営してきたゴルフ場は、鳴尾を含めて29コース。ゴルフ場が公益法人として運営されている認識が政府にはなかったのではないでしょうか。壁が大きく立ちはだかりました」(齊藤隆二元常務理事)。これにより鳴尾は、次の3つの選択肢から進むべき道を選ばなければならない事態となった。
- 1.公益認定等委員会の認定を受け、公益社団法人として存続する
- 2.一般的な非営利法人に移行する(一般社団法人)
- 3.株式会社など、その他の法人に移行する
メンバーシップ制を採用したプライベートクラブであり、メンバー(社員)がクラブを運営する組織である鳴尾ゴルフ倶楽部にとっては、一般社団法人を選択するのが最も自然な選択肢である。
2013年1月、一般社団法人としての申請を行い、鳴尾は「一般社団法人 鳴尾ゴルフ倶楽部」として再出発することとなった。