ホームコースでのトーナメントはプレッシャーがかかるというプロもいますが、私は感じませんでした。
4日間を通して、ずっと家族的な雰囲気がありましたからね。仮にミスをしても「なにやってるんだ」といった厳しい声はほとんどなく、「次はがんばれ」といった空気に満ちていました。ひとことでいうなら、まさにホームコースの暖かさ。私は特にシニアの年齢になってから、「まわりのみなさんにゴルフをさせていただいている」という思いがとても強いのですが、今回のシニアオープンを通じて改めて感謝の気持ちがわき上がってきました。最終日にホールアウトしたあと、みなさんにていねいにお辞儀をしたのは、そんな気持ちが自然に動作に表れたのだと思います。
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シニアオープンを通じて改めて、鳴尾はラッキー・アンラッキーがないコースだと痛感しました。確率が50%の位置を狙うより、70%のところを狙って打った方が良いスコアになる。「ちょっと危険だが、攻め方を変えよう」などと欲を出すと、まず裏目に出るんですよ。
優勝された倉本昌弘プロはそうした判断が的確で速い。確率の高い方向を、迷いなくすぐに選べるその才能は、プロゴルファーの中でも群を抜いていると思います。だから、何よりも確実さが問われる鳴尾には向いているんですよ。倉本プロは初日こそ出遅れましたけれど、それが闘争心に火をつけたところもあるのでしょう。どんどん調子を上げて、最後は見事に逃げ切られたと思います。
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