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Special 水巻プロが語る「鳴尾の魅力」「ゲームとしてのゴルフ」の本質を守る鳴尾。

良いコースの条件とは何でしょうか?
レイアウトや芝の状態など、数え上げればさまざまですが、いちばん大事なのは誰もが自分なりの技術や経験を生かしてゴルフを楽しめることです。
最近は、遠く真っ直ぐに飛ばし、できるだけグリーンに近付いて、高い球で、あるいは強いバックスピンをかけてピンを狙うようなショットばかりが注目され、アマチュアにももてはやされています。タイガー・ウッズの影響でしょうか。

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しかしゴルフとは、若くてパワーのある人だけが競いあうものではありません。ハンデ36なら36なりに、80歳なら80歳なりに楽しめるゲーム、それがゴルフ本来の姿です。
そして鳴尾は、そうしたゴルフの本質を守り続けている、日本には数少ないコースだと思います。
トーナメントで国内外のさまざまなコースを経験した私ですら、鳴尾に来るたびに新たな発見がありますが、コースの魅力をかたちづくっているものは大きく3つあります。
見事というほかはない高麗のグリーン、巧みに配されたバンカー、そしてコンパクトにまとめられ戦略性に富むレイアウトです。

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Special 水巻プロが語る「鳴尾の魅力」どのホールも必ず「あるべきショット」を要求してくる。

高麗は四季折々で状態が変わりますし、厳密に言えば朝と午後3時でも違います。入念に見極め、ベントとは違う「目に負けない打ち方」で攻めなければなりません。一朝一夕にはできませんが、それこそがゴルフ本来の面白さですし、いちどその技術を身につければ歳を取ってもずっと使えます。
そもそも日本の風土には高麗の芝が合っています。日本中がベントにばかりなびく中で、高麗を守り続けてきた鳴尾の歴代社員(メンバー)の見識とこだわりは素晴らしいと思います。

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鳴尾のバンカーは頭ほどの高さのものもあり総じて手強いですが、バンカーショットは経験を積めば積むほど上達します。社員として毎週のように回っていれば、確実に腕は上がると思いますよ。
そしてこれらバンカーを巧みに配した鳴尾のコースは、どのホールもプレーヤーに、「あるべきショット」を要求します。球筋やショットの質を厳しく問うてくるのです。
なかでも私が最も「鳴尾らしい」と思うホールは、ミドルなら例えば1番、ショートなら12番ですね。

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Special 水巻プロが語る「鳴尾の魅力」どのホールも攻略する喜びにあふれている。

1番は、「うまい人ほど難しい」と思います。ティーグラウンドから全部見えているので逆に考えさせられるんですよ。ドライバーで一気に距離をかせぐか、フェアウェーウッドで確実に刻むか。右の林が嫌なので左目に打つんだけど、左に行き過ぎるとラフがきついし、バンカーもある。第2打もグリーン周りが難しくなっていて、左に落とすとノーチャンス。かと言って、右に逃げて手前のバンカーにつかまってしまうと、その次のショットが難しくなる……逃げながら安全にいこうとしても、必ずどこかできわどい勝負を要求されるホールです。逆に飛ばない人は、まず池越えの広いところに落としておけばいいのでかえって悩まずにすむかもしれませんね。意外とボギーとか、うまくいけばパーで上がれる。

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12番のショートは、バックティーからでも160ヤードちょっとなので果敢に狙いにいきたくなりますが、奥に木がないので距離感がつかみにくいし、ティーグラウンドとグリーンでは風が違ったりするので難しい。ただ、アマチュアの人でも5番くらいで打てるし、1回当たればバーディチャンスになります。そういう意味では、難しいけれども攻略しがいのあるホールですよ。ロングは飛ばない人だとスコアをつくれないけれど、ショートは工夫次第で攻略できます。12番に限らず、鳴尾には魅力的なショートやミドルが多い。だから、いろんな人が技量なりに楽しめるのだと思います。

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Special 水巻プロが語る 男の遊び場には男のルールがある。

私は鳴尾が偉いなと思うのは、「男の遊び場」としての魅力をずっと守り続けてきたところにあります。
近年新設されるレジャー施設は、若い女性や子ども向けのものばかり。社会、経済を背負っている、熟年以上の男たちの遊び場は減る一方です。
また、日本は何でもかんでも男女平等を良しとしますが、私は納得しかねます。日本人は「欧米はすべて男女同権」だと思いがちですが、実際にはアメリカのゴルフ場にだって「男性だけのレストラン」があり、多くの女性がその意義を認めています。しかし日本には、まずありません。

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社員(メンバー)に女性がおられるのを承知で申し上げますが、鳴尾は、日本のそんな「オンナ子ども優先」「何でも男女平等」という悪しき風潮の中に残された、数少ない「男の遊び場」です。
社会での地位や肩書きに関係なく少年のようにゲームに興じ、コースでもコースを離れても紳士として親睦を深めあう、そんな「男たちの大切な時間、空間」を鳴尾は頑固に守り続けてきたのです。
もちろんそこにはルールがあり、ルールを貴ぶ社員がいるからこそ今の鳴尾がある。鳴尾はあまり宣伝をしませんから、外から見ればいささかとっつきにくい印象があります。でも、互いの顔が見える限られた社員だからこそ、古き良き伝統を残すことができたのです。それもカビ臭い伝統ではなく今に息づく魅力として残している、日本では希有な存在だと思います。

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Special 水巻プロが語る 「日本的なるものの魅力」を鳴尾から。

2010年秋に開催された日本シニアオープンは、鳴尾の魅力が全国に知られるひとつのきっかけになりました。今のシニアの面々は技術的に優れていますから、ただ飛ばすだけではないゴルフ本来の妙技が、この鳴尾を舞台に堪能できました。
そしてちょっと大げさに言えば、高麗の芝をはじめ「日本的なるものの良さ」が、この鳴尾から発信されるのではないかと期待しています。

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私が、10数年間のアメリカ生活を含め、これまで得た知識や経験を踏まえて、子どもたちに伝授できることがあるとするならば、それは「日本的なるものの良さ」です。そんな私が、まさに「日本的な洗練」に満ちた鳴尾に声をかけていただいたことに、深い縁を感ぜずにはいられません。
もっとさまざまなかたちで、鳴尾の魅力を引き出すお手伝いができれば思っています。

水巻 善典
水巻 善典 ミズマキ ヨシノリ
1958年東京都生まれ。法政大学出身。84年プロテスト合格。89年の「関東オープン」をはじめツアー優勝通算7回。アメリカを拠点に12年間活動し、USPGAツアー・メンバーの経験を持つ。2009年4月より鳴尾ゴルフ倶楽部所属。現在、京都に在住。
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