1番は、「うまい人ほど難しい」と思います。ティーグラウンドから全部見えているので逆に考えさせられるんですよ。ドライバーで一気に距離をかせぐか、フェアウェーウッドで確実に刻むか。右の林が嫌なので左目に打つんだけど、左に行き過ぎるとラフがきついし、バンカーもある。第2打もグリーン周りが難しくなっていて、左に落とすとノーチャンス。かと言って、右に逃げて手前のバンカーにつかまってしまうと、その次のショットが難しくなる……逃げながら安全にいこうとしても、必ずどこかできわどい勝負を要求されるホールです。逆に飛ばない人は、まず池越えの広いところに落としておけばいいのでかえって悩まずにすむかもしれませんね。意外とボギーとか、うまくいけばパーで上がれる。
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社員(メンバー)に女性がおられるのを承知で申し上げますが、鳴尾は、日本のそんな「オンナ子ども優先」「何でも男女平等」という悪しき風潮の中に残された、数少ない「男の遊び場」です。
社会での地位や肩書きに関係なく少年のようにゲームに興じ、コースでもコースを離れても紳士として親睦を深めあう、そんな「男たちの大切な時間、空間」を鳴尾は頑固に守り続けてきたのです。
もちろんそこにはルールがあり、ルールを貴ぶ社員がいるからこそ今の鳴尾がある。鳴尾はあまり宣伝をしませんから、外から見ればいささかとっつきにくい印象があります。でも、互いの顔が見える限られた社員だからこそ、古き良き伝統を残すことができたのです。それもカビ臭い伝統ではなく今に息づく魅力として残している、日本では希有な存在だと思います。
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私が、10数年間のアメリカ生活を含め、これまで得た知識や経験を踏まえて、子どもたちに伝授できることがあるとするならば、それは「日本的なるものの良さ」です。そんな私が、まさに「日本的な洗練」に満ちた鳴尾に声をかけていただいたことに、深い縁を感ぜずにはいられません。
もっとさまざまなかたちで、鳴尾の魅力を引き出すお手伝いができれば思っています。
- 水巻 善典 ミズマキ ヨシノリ
1958年東京都生まれ。法政大学出身。84年プロテスト合格。89年の「関東オープン」をはじめツアー優勝通算7回。アメリカを拠点に12年間活動し、USPGAツアー・メンバーの経験を持つ。2009年4月より鳴尾ゴルフ倶楽部所属。現在、京都に在住。
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