鳴尾コース
Course
コースの設計を託された英国人メンバーであるクレーン3兄弟が求めたのは、ゴルフを楽しむために最適な地形であった。
そして、英国インランドのゴルフコースを想い描きながら作り上げた18ホールのルーティングが現在の18ホールである。
1931年、そこにチャールズ・ヒュー・アリソンの叡智が邂逅し、唯一無二の“山のリンクス”が誕生する。
社員(メンバー)たちは情熱をもって、開場当時の「美しく、そして楽しい」コースを守りつづけてきました。
クレーン兄弟、アリソンからの贈り物であるオリジナルを守ることこそ、倶楽部の原点であり、歴史であり、伝統そのものであると考えたからです。
鳴尾ゴルフ倶楽部の“人生の長きにわたり最上のゴルフを楽しめるコース”に足をお運びいただき、ホールと対話しながらのプレーをお愉しみください。
鳴尾グリーン
Green
開場当時から高麗グリーンにこだわりを持つ中で、さらなるパッティング・クオリティの向上を実現するために研究と創意工夫を続けてきました。
1979年にグリーンの芝を高麗から姫高麗へ転換、さらに2014年には1番、15番グリーンの中に新種の芝を確認し、4番のオリジナルグリーンと14番サブグリーンでのテストを開始しました。
2021年12月18日からグリーンのサンド化とともにこの新種の高麗芝「ナルオターフ®」への転換工事をすすめ、2022年の4月末までに18ホールの芝の張替えを終えました。
高麗芝へのこだわりの中で、発見された「ナルオターフ®」の、従来とは一味違うボールの転がりを楽しんでいただけることと思います。
高麗芝へのこだわりが生んだ、新種の芝「ナルオターフ®」とともに
上村グリーンキーパー談
芝生は手を掛ければ掛けるほどコンディションが良くなっていきます。しかし、過保護に育てると弱い芝になってしまいます。いかに手を掛けるか。そこが芝生造りの難しい所です。芝生は人と違いしゃべることは出来ませんが、毎日芝生を見ながら芝生と会話を楽しみつつ、芝生を育てていきたいと考えています。
気象条件は毎年同じではありません。20年芝管理に携わってきましたが、毎年緊張して迎えるのが春の立ち上がりです。立ち上がりが悪いと夏まで悪い状態を引きずります。高麗芝は、一年に一回の生育期間しかなく(ベントは春、秋一回ずつ)ここで失敗してしまうと一年を通じて良いコンディション造りは出来ないのです。
他のゴルフ場では難雑草であるメルケンカルカヤ、チガヤなどの邪魔者扱いされている草花等も、鳴尾はそれらが良く似合うコースだと思います。法面、ラフ等でプレーに支障のない箇所は防除せずに自然のまま生育させる。これが他の倶楽部にはないオリジナリティを生んでいます。また、バンカーの縁(オーバーハング)のクラシックさ-こういった所を残し、来場された人々に写真に撮りたいと思わせる、感動を与えられるコース造りが出来れば最高だと思っています。
鳴尾バンカー
Bunker
C.H.アリソンの真骨頂ともいえるのがバンカーである。
グリーンが実際よりも小さく浮島のように見えるのは、深いバンカーが、グリーンに寄り添う難攻不落の城壁のように配置されているからだ。
ティーインググラウンドに立ってグリーンを望めば、勇気と決断力を求められているような気分になることだろう。
ガードバンカーには、グリーンからのアンジュレーションがそのまま流れ込み、バンカーとグリーンの形状が一体となって美しさを造り上げている。
さらに、バンカーエッジ近くまで砂をすりあげること(フラッシュアップ)により、一層その造形美は際立つ。
鳴尾のバンカーは、長い時間の経過によって、その淵は原型よりさらに盛り上がり、苔むした部分などが風雅な趣をより一層高めている。
その美しさを記憶にとどめていただければ幸いである。